― 春先の“なんとなく不調”は気のせいではありません ―
東京では昨日、春一番が吹き、2月とは思えない陽気が訪れました。こんな季節の変わり目に不調を訴える方が増えています。今回の記事では、「なんとなくの不調」を見逃さず、悪化してしまう前に治療を受けて、不安定な春先を乗り越えましょうというテーマで書いています。
目次
- 三寒四温とは
- なぜ春先にメンタルが不安定になるのか
- よくある症状
- 自分でできる対処法
- 医療機関を受診すべきサイン
- まとめ
- 参考文献
1.三寒四温とは
三寒四温とは、寒い日と暖かい日が交互に訪れながら春へ向かう気候現象を指します。
近年の日本では、春先の急激な寒暖差と気圧変動を示す言葉として広く使われています。
この時期は
- 気温の急変
- 気圧の変動
- 日照時間の変化
- 花粉増加
- 新年度前の心理的ストレス
が重なり、身体と脳に大きな負荷がかかります。
2.なぜ春先にメンタルが不安定になるのか
① 自律神経の負荷
寒暖差は自律神経の調整機能を酷使します。
交感神経と副交感神経が短期間で切り替わることで、
- 倦怠感
- 不眠
- 動悸
- イライラ
- 不安感
が出現しやすくなります。
寒暖差ストレスが自律神経機能に影響することは、気象医学領域で報告されています¹。
② 気圧変動とセロトニン低下
低気圧は脳内セロトニン活性に影響し、
抑うつ感や不安を悪化させる可能性があります²。
また、気圧変動は片頭痛や倦怠感とも関連します³。
③ 環境変化ストレス
春は異動・進学・人間関係変化など軽度〜中等度ストレスが増加します。
Holmes & Raheのライフイベント研究では、環境変化の累積が心身症状発症リスクを高めることが示されています⁴。
3.よくある症状
- 朝起きられない
- 気分の落ち込み
- 理由のない不安
- 涙もろさ
- 急な怒り
- 集中力低下
- 胃腸不調
2週間以上持続する場合は、季節性うつや適応障害の可能性も考慮されます。
4.自分でできる対処法
● 睡眠を最優先にする
睡眠はセロトニン安定化に重要です²。
● 朝の光を浴びる
光療法は季節性抑うつの改善に有効とされています²。
● 予定を詰めすぎない
ストレス総量を意識的に下げることが重要です。
● 身体を冷やさない
体温調整負荷を減らすことで自律神経の安定につながります。
5.受診の目安
以下が2週間以上続く場合は医療的評価を推奨します。
- 不眠または過眠
- 食欲の著明な変化
- 強い不安発作
- 日常生活機能低下
- 希死念慮
適切な診断と治療により、早期改善が期待できます。
ご相談・ご予約について
春先のメンタル不調は珍しいことではありません。
「気のせいかもしれない」と我慢せず、
早めにご相談ください。
▶ ご予約はこちら(はじめての方)からどうぞ ▶再診の方はこちらからどうぞ
※医療相談はLINEやメールでは承っておりません。
必ず診察予約のうえご相談ください。(相次ぐLINEやメールでのお問い合わせには対応できかねます)
※ご家族の方のご相談は自由診療にて承ります。
以上、ご理解の上、ご予約お願いいたします。
初診では、生活状況・睡眠・気分変動を丁寧に評価し、
必要に応じて薬物療法・心理療法をご提案いたします。
まとめ
三寒四温の季節は、
脳と自律神経にとって“負荷のかかる時期”です。
不安定になるのは、
弱さではなく「適応反応」です。
無理をせず、
必要であれば専門家のサポートを受けてください。
参考文献
- 日本生気象学会編. 『気象と健康』朝倉書店, 2015, pp.45-52.
- Kaplan & Sadock’s Synopsis of Psychiatry, 11th ed. Wolters Kluwer, 2015, pp.546-552(Seasonal Affective Disorder)
- 日本頭痛学会編. 『慢性頭痛の診療ガイドライン2021』医学書院, pp.34-38.
- Holmes TH, Rahe RH. The Social Readjustment Rating Scale. J Psychosom Res. 1967;11(2):213-218.


