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抗うつ薬や抗不安薬をやめたい方へ|離脱症状を防ぐ安全な減薬方法

「そろそろ薬をやめたい」「できれば自然に治したい」——

そう感じている方は多くいらっしゃいます。

抗うつ薬や抗不安薬は、つらい時期を支える大切な治療の一部ですが、「やめたい」と思うこと自体はごく自然なことです。

ただし、急な中止や自己判断の減薬は**離脱症状(中止症候群)**を引き起こすリスクがあります。

この記事では、抗うつ薬や抗不安薬をやめたい方に向けて、安全な減薬の進め方や注意点を、心療内科医の視点から解説します。


目次

目次

  1. 抗うつ薬・抗不安薬をやめたいと思う理由
  2. 自己判断で中止するのが危険な理由
  3. SSRI・SNRIなどで起こる離脱症状とは
  4. 安全に減薬するためのステップ
  5. 減薬を支える生活習慣とメンタルケア
  6. まとめ:焦らず、段階的に薬を卒業するために

1. 抗うつ薬・抗不安薬をやめたいと思う理由

患者さんからよく聞かれるのが次のような声です。

  • 「調子が良くなってきたから、薬をやめたい」
  • 「副作用(眠気・体重増加・性機能の変化など)が気になる」
  • 「長く飲み続けるのが不安」
  • 「薬に頼らず生活したい」

どれも自然で正直な気持ちです。

ただし、「やめたい」と思うタイミングが、治療的に適切な時期かどうかは慎重に判断する必要があります。


2. 自己判断で中止するのが危険な理由

抗うつ薬や抗不安薬を急にやめると、脳内のセロトニンやGABAのバランスが一時的に崩れ、離脱症状が出ることがあります。

これは「依存」とは異なり、脳が薬の状態に慣れているために起こる一時的な反応です。

代表的な離脱症状は次の通りです。

  • 不安感や焦燥感の再燃
  • めまい、頭のしびれ、電気が走るような感覚(いわゆる“ビリビリ感”)
  • 睡眠の乱れ、悪夢
  • 吐き気、食欲不振
  • 集中力の低下

特に**SSRI(選択的セロトニン再取り込み阻害薬)やSNRI(セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬)**では離脱症状が出やすい傾向があります。


3. SSRI・SNRIなどで起こる離脱症状とは?

代表的なSSRI・SNRIには以下のような薬があります。

  • SSRI:セルトラリン(ジェイゾロフト)、エスシタロプラム(レクサプロ)、パロキセチン(パキシル)など
  • SNRI:デュロキセチン(サインバルタ)、ミルナシプラン(トレドミン)など
  • ボルチオキセチン臭化水素酸塩(トリンテリックス)

これらの薬は、脳内のセロトニン濃度をゆるやかに整える作用があります。

そのため、突然やめると脳がバランスを取り戻すのに時間がかかり、離脱症状が起こるのです。


4. 安全に減薬するためのステップ

ステップ① 主治医と「やめるタイミング」を確認する

まずは、症状が安定しているかどうかを一緒に確認します。

目安としては、3か月以上、気分や睡眠が安定していること。

不安が再発しやすい時期(季節の変わり目・環境変化など)は避けましょう。

ステップ② 少しずつ段階的に減らす

抗不安薬や抗うつ薬の減薬は、「週単位で少しずつ」が原則です。

1~2週間ごとに用量を減らし、体調の変化を記録しながら調整します。

中止後1〜2週間は離脱症状が出やすいため、無理せず様子を見ましょう。

ステップ③ 不調が出たら、再び少量戻して安定を優先

離脱症状が強い場合は、「一時的に戻す」ことも治療の一部です。

“やめること”よりも、“安定して過ごすこと”が優先です。


5. 減薬を支える生活習慣とメンタルケア

薬を減らすときは、薬以外の支えを整えることが大切です。

  • 睡眠リズムを整える(就寝・起床時間を一定に)
  • バランスのよい食事を心がける(タンパク質とビタミンB群)
  • 軽い運動や深呼吸で自律神経を整える
  • カウンセリングや認知行動療法(CBT)を活用する
  • 信頼できる人とのつながりを保つ

これらは、薬をやめたあとも再発を防ぐ「メンタルの筋トレ」になります。


6. まとめ:焦らず、段階的に薬を卒業するために

抗うつ薬・抗不安薬をやめたいときは、焦らず段階的に進めることが大切です。

「やめたい」という気持ちは前向きなサインですが、安全な減薬には医師のサポートが不可欠です。

もし離脱症状や不安が出た場合は、一人で抱えずに早めに相談してください。

当院では、減薬の計画づくりから生活面のサポートまで丁寧に行っています。


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