

「ゲームやスマホをやめなさい」と言ってもやめられない、「使いすぎている自覚はあるのにコントロールできない」──こうした悩みはありませんか?
近年、ゲーム依存症・スマホ依存症は子どもから大人まで急速に増えており、単なる生活習慣の問題ではなく、不安・抑うつ・不眠などの心の不調と深く関係するケースも少なくありません。
この記事では、ゲーム依存症・スマホ依存症の症状やサイン、原因、治療の考え方、受診の目安について、精神科医の立場から分かりやすく解説します。
ゲーム依存症・スマホ依存症とは
ゲームやスマートフォンを長時間使っている=依存症、というわけではありません。
医学的に問題となるのは、使用をコントロールできず、生活や心身に支障が出ている状態が続くことです。
依存が疑われる主な特徴
- やめたいと思ってもやめられない
- 使用時間や頻度を自分で調整できない
- 学業・仕事・家庭生活に影響が出ている
- 使えないと強いイライラや不安が出る
- 睡眠不足、集中力低下、気分の落ち込みが続く
ゲームやSNSは「報酬」「達成感」「承認」を短時間で得られる設計になっており、脳が強く刺激されやすい特徴があります。
子ども・思春期に多いサイン
保護者の方から、次のような相談が増えています。
- 成績が急に下がった
- 朝起きられず、学校に行けない
- 夜中までゲームや動画をやめない
- 家族との会話が減り、怒りっぽくなった
- スマホを取り上げると激しく反発する
思春期は脳の発達途中の時期で、衝動や欲求のコントロールが未熟です。
「意志が弱い」のではなく、脳の特性と環境の影響が大きいことを理解することが重要です。
大人のスマホ依存症も増えています
大人の場合、以下のような形で問題が表れやすくなります。
- 寝る直前までSNSや動画を見続けてしまう
- 常に通知が気になり、集中できない
- 仕事の効率が落ちている
- 何もしていないと不安になる
- 気分転換のつもりが、逆に疲れてしまう
背景には、仕事や人間関係のストレス、不安や抑うつ状態が隠れていることも少なくありません。
ゲーム・スマホ依存症の原因と背景
ゲーム依存症・スマホ依存症は、**原因そのものではなく「結果」**であることが多いです。
よく見られる背景:
- 不安障害、うつ状態、不眠
- ADHDなどの発達特性
- 学校・職場でのストレス
- 家庭内の緊張関係
- 自己肯定感の低さ
単に「使うのをやめさせる」だけでは、かえって症状が悪化する場合もあります。
ゲーム依存症・スマホ依存症の治療と対応
① 状態を正しく評価する
使用時間だけでなく、生活への影響や心の状態を丁寧に確認します。
② 背景にある不安やストレスへの対応
必要に応じて、
- カウンセリング
- 認知行動療法
- 薬物療法
を組み合わせて行います。
③ 現実的なルール作り
完全な禁止ではなく、
- 使用時間
- 使用する時間帯・場所
を一緒に調整していきます。
④ 家族・周囲の関わり方の調整
責めず、感情的に対立せず、「困っていること」を共有する姿勢が回復への鍵となります。
受診の目安|こんなときはご相談ください
- 自分や家族が依存症か分からない
- 注意すると関係が悪化してしまう
- 不安・抑うつ・不眠が続いている
- 学校や仕事に支障が出ている
早めの相談が、回復を早めます。
最後に
ゲームやスマートフォン自体が悪いわけではありません。
問題は「使い方」と、その背景にある心の状態です。
「やめられない」のには必ず理由があります。
一人で抱え込まず、専門家と一緒に整理していきましょう。


